2月3日の米国雇用統計をはじめ、発表指数が軒並み予想上ブレ(景気の強さを示している)したことで、米国10年債利回りが上昇を続けています。
20年超の米国債券に連動するETF、TLTもこの1ヶ月で値下がりを続けており、果たして今買い時なのかが気になるところ…。
TLTとは?債券とは?という方はこちらの記事をご覧ください。
2月の10年債利回りは
まず、足元の10年債利回りの状況から。
2月1日、3.420%で始まり、このまま下がっていくかな?と思っていたところに2月3日の雇用統計でした。
市場予想18.3万人増に対して結果は驚きの51.7万人増。
失業率も予想3.6%に対して3.4%と雇用の強さが示され、【雇用が強い→まだまだ景気が強い→賃金も物価も下がらない→インフレ継続→利上げ継続】ということで、「FRBのFFレート、もう利上げは止めて今年の秋口には利下げに転じるんじゃないか?」という淡い期待を見事に打ち砕きました。
結果この雇用統計の発表があった2月3日、10年債利回りは3.526%(前日比+3.86%)と急騰。
その後も押し上がり続けて2月27日に最高3.979%まで上昇しています。(終値は3.916%でした)
TLTの値動き
20年以上の償還期間がある米国債を投資対象とするTLTはこの10年債利回りと逆の動きをします。
つまり10年債利回りが上がればTLTは下がる、10年債利回りが下がればTLTは上がる。
下記のグラフはローソク足が米国10年債利回り、オレンジ実線がTLTの値動きです。
2022年12月末に$99.56で底を付けたあと、1月は順調に上昇し2月2日に$109.35の高値を付けたところからの下げ。2月27日の終値は$101.25でした。
私はどうなっているかというと、12月に$100割れを狙い始め、
- 12月23日:$103.80
- 12月26日:$102.40
- 12月28日:$100.68
- 12月29日:$99.60
という形で買っており、平均取得単価は$101.9475です。
なので微妙に含み損(´;ω;`)
今後の見込み
FFレートの織り込み具合
マーケットはどれくらいまでFFレート(政策金利)が上がることを想定しているかというと、
- 3月会合、5月会合、6月会合でそれぞれ+0.25%の利上げ
- 最終的には5.25%-5.50%
- ここで打ち止めして年内キープ(利下げに転じるのは2024年)
というのが織り込まれています。
次の重要な指標発表は
- 3月2日:失業保険申請件数
- 3月4日:ISM非製造業指数(2月)
- 3月8日:ADP非農業部門雇用者数(2月)
- 3月10日:非農業部門雇用者数(2月)&失業率(2月)
そして3月14日の消費者物価指数&コアCPI、15日の小売売上高&生産者物価指数といったところでしょうか。
これらの数値を受けて、3月22日のFOMCを迎えます。
個人的な想定シナリオ
1月の状況を見て、昨年から順調に下げ続けてきた各指数は一時的に歩留まり、堅調であることを示すのではないかというシナリオを頭に描いています。
その上で、3月FOMCでの政策金利は織り込まれている+0.25%ではなく、+0.5%としてショックが到来。
但し4月になると再び減少に転じ、5月FOMCでダメ押し的に+0.25%したところで利上げ停止するのではないかと。その後年内はキープ。
もちろん各指数がそれほど強くなかったり、3月FOMCでの利上げが+0.25%であるかもしれません。
丁半博打でどちらかに張るのは得策でないですしそんな余裕もありませんので(汗)、結果が出てから動くということになりますが、株式を含めた個人的な買いタイミングは3月下旬に置いています。
さて、TLTどうする?
以上の見立てと自分のポジションを勘案して、目下考えていることは以下のとおりです。
- 現有の平均取得単価が$101.9475なので、すぐに積極的な買い増しはしない
- 2022年年末の、TLT:$99.40付近【このときの10年債利回り:3.88%~3.90%】を割ったら臨戦態勢
- 2022年10月19日に付けた、TLT:$96.53、10年債利回り:4.138%を手掛かりとしてTLTが$97を割ったら買い増し
ということで準備します。
なんだか自分の思考の整理みたいになってしまいましたが、ご参考になれば幸いです。