【TLT】米国債券に投資するETF

【TLT】米国債券に投資するETF
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少しだけ保有していることもあって、今後の方向性を整理したTLT

そもそもTLTって?米国債券に投資するって?という方のために基本をおさらいしつつ、他のETFであるEDVとBNDとの比較も行ってみます。

TLTとは

米国の資産運用会社、ブラックロックが発行しているETF(上場投資信託)です。
正式名称は「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF」。
残存期間20年超の米国債券で構成される指数と同等水準の投資成果を目指す商品です。

かいつまむと…

要は20年を超える償還期間があるアメリカの債券を対象とした商品です。
債券は償還期間が長いほど値動きの幅が大きく、他にも短期債を対象とした商品がある中でTLTは超長期。つまり債券投資の中ではハイリターンを狙えるものとなります。(当然、リスクも高くなります)

ETFの概要

ETFとしての概要は下記の通りです。
後述する他の債券投資ETFと比べると経費率は高いのですが、毎月分配金が支払われます。
直近2月1日の分配金は1口あたり$0.2754でした。

現在値
(2023.2.27)
現在値での
分配率
経費率分配回数/年純資産総額
(2023.2.27)
$101.252.70%0.15%12回(毎月)$30,196,779,788

なぜ今注目しているのか

物凄くかいつまんで言ってしまうと、

  • 金利が上がれば債券価格は下がる
  • 金利が下がれば債券価格は上がる

という特性があります。

これ、何でだろう?と思っていたのですが、

金利が上がれば新規に発行される債券の利息が高くなり、それより利息が低い既発債の魅力は低下=価格が下がる

という仕組みです。なるほど~!

2022年、深刻なインフレに見舞われた米国は、ニュースにもなっているようにイレギュラーなペースで利上げを重ねました。
その結果、債券市場も大幅に下落。TLTは1年間で32.82%価格を下げました。

そして現在、米国の政策金利の上昇が最終局面を迎えている(金利の上限が見え始めている)と言われる中で債券価格の下落に歯止めがかかり、今が底ではないか。さらに今後金利が減少に転じれば債券価格の上昇が見込める、という思惑が強くなっています。

私も普通に考えてそうだろうと思っており、数日~1,2ヶ月の短期では分かりませんが、数ヶ月~1年の単位で考えれば方向性は明らかだろうと。
そして、保有していれば毎月分配金が入ってくるので、分配金をもらいながら気長に待つという戦術はリスク度合いから見ても妙味があるのではないか、と考えています。

加えて、債券価格は株式価格と違う値動きをするので、リスク分散になるということもあります。

こちらはTLTとダウ平均指数の比較。ローソク足がTLTでオレンジ実線がダウ指数です。
株式市場が低迷しているときにTLTは値上がりしている、つまり株式と逆相関にあるタイミングがお分かりいただけるかと思います。

但し、2022年は利上げが継続。そのため株安・債券安という局面になっていました。

もちろん現物債券を購入する手もあるのですが、1000ドル以上の元手が必要だったり為替動向も影響しますので、手軽に投資できるETFにフォーカスしているという訳です。

他のETFとの比較

さて、そんな債券投資ETF。
TLTと同じく米国債券を投資対象とする代表的なETFと比較してみます。

  • EDV(バンガード・超長期米国債ETF)
    →20年-30年の米国ストリップス債が投資対象。連動指数がTLTとは異なる。
  • BND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)
    →米国の投資適格債券市場全体が投資対象。(つまり短期債も含む)
ETF現在値
(2023.2.27)
現在値での
分配率
経費率分配月純資産総額
(2023.1.31 百万ドル)
デュレーション
TLT$101.252.70%0.15%毎月31,215.1925.27年
EDV$85.143.19%0.06%4/7/10/121,631.5824.2年
BND$72.052.56%0.03%毎月88,385.416.6年

EDV、BNDともにバンガードの商品らしく経費率の低さが光ります。
最も規模が大きいのは米国債券全体に投資するBNDですね。リスクが抑えられていて経費率も低いので長期投資にはこちらの方が向いていると言えるからでしょうか。
EDVが思っていたより少なく、TLTの方がだいぶ大きいです。大きい=流動性が高く売買がし易い、という利点になります。

最後にデュレーションですが、これは債券投資の平均回収期間。利息や最終利回りが高くなればなるほどデュレーションは小さくなります。
てこの原理で、このデュレーションが大きいほど金利の変化に対する価格の変化が大きくなります
つまり、今後金利が下がる局面になった場合、TLTやEDVの方が価格の上昇幅が大きいということです。

TLT/EDV/BNDのパフォーマンス比較

いつを起点とするかでだいぶ見え方が変わるのですが、直近で米国10年債利回りがピークを付けた2022年10月21日(この日の高値:4.335%)をスタートに、今日までのパフォーマンスを比較してみます。

Yahoo! Financeから作成

このように、TLTよりEDVの方がボラティリティが大きく、BNDはだいぶマイルドになることが分かります。
直近1年の騰落率を比較してみると以下のようになります。

1ヶ月3ヶ月6ヶ月9ヶ月1年
TLT-5.22%-1.15%-9.88%-13.36%-24.47%
EDV-6.81%-1.51%-12.63%-17.31%-31.18%
BND-2.70%-0.10%-3.11%-4.80%-9.24%

まとめ

以上のように、昨年から続く下落相場の終わりが見え始めている(気がする)中で、金利の最終地点であるターミナルレートとその後の利下げが意識される状況下、債券投資にチャンス到来だと私は考えています。

  • 毎月分配金がもらえるTLTで、数ヶ月(2023年中)のスパンで考えてキャピタルゲインを狙う。
  • よりハイリスク・ハイリターンを求めるのであればEDV。(分配は4,7,10,12月)

あくまでサテライトでの投資になりますが、この2本については引き続き注目していきます。


私の現在のTLT保有状況と今後の見通し・戦略です。

米国ETF
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